理科の実験でおなじみの酸性やアルカリ性。実は健康な髪を保つためにも重要な要素です。
pHとは
pHは「ピーエイチ」あるいは「ペーハー」と読みます。
その意味は、水溶液の性質(酸性・中性・アルカリ性)を表す単位のことです。
学生の頃にBTB溶液やリトマス試験紙を使って、水溶液の性質を調べる実験をしたことがあるのではないでしょうか。
またpHには0~14のメモリがあり、数字によって酸性・アルカリ性の度合いを表します。
pH 0~6 | → | 酸性 |
pH 7 | → | 中性 |
pH 8~14 | → | アルカリ性 |
数字が小さいほど酸性の性質が強く、反対に数字が大きいほどアルカリ性の性質が強くなります。
髪とpHの関係
健康な髪をキープするために重要なのが、髪のpHです。髪は基本的にpH4.5~5.5の弱酸性に保たれており、この数値が最も健康な状態とされています。
さらに髪のキューティクルには、pHの変化により開閉するという特徴があります。
酸性 → キューティクルが閉じる
アルカリ性 → キューティクルが開く
こうしたキューティクルの性質を利用しているのが、ヘアカラーやパーマなどの薬剤です。
ヘアカラーやパーマなどの薬剤は、髪の色や形状を変える目的で使うアイテムになります。
しかし髪はキューティクルというウロコ状の層に守られているため、通常ではヘアカラーやパーマなどの薬剤が髪の内側に浸透することはありません。
ただ、ヘアカラーやパーマなどの薬剤は基本的にアルカリ性になります。
髪をアルカリ性に傾け、キューティクルを開いてから薬剤を髪の内側に染み込ませているのです。
ですがこの行為は、いわば髪のキューティクルをこじ開けているのと同じようなものです。
その上で髪の毛の内部にも影響を及ぼすため、ヘアカラーやパーマなどの薬剤は髪にとってダメージになってしまいます。